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− マスコミが報道した「ルテイン」 −
【 わかさ 2002.5より抜粋 】
目の中の重要な若返り成分「ルテイン」不足こそ
急増する目の病気の主原因 |
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活性酸素は目の病気を引き起こす主役
お年寄りの人口の増加や生活習慣の欧米化、自然環境の悪化などを背景に、目の病気にかかる人が急増しています。中でも中高年層を中心に著しく増えつづけているのが白内障、緑内障、黄斑変性症で、一般に「目の生活習慣病」と呼ばれています。
これらの病気は年を取るほど起こりやすいといえますが、実はここ数年、若年化の傾向が進んできており、30代、40代で起こる場合も、決して珍しくはありません。
このような目の生活習慣病を引き起こす元凶は、活性酸素(攻撃性の強い酸素)です。紫外線や環境汚染物質、ウイルス、喫煙、過剰なストレスなどの影響を受けて体内に炎症反応が起こると、大量の活性酸素が発生します。
この活性酸素が細胞を傷つけて、老化が促進され、あらゆる病気の発生にかかわることがわかっています。
ではこの活性酸素が、どのようなしくみで目の病気をもたらすのでしょうか。
目は、よくカメラの構造にたとえられます。物体に当たった光は角膜(黒目を覆う透明な膜)に集められ、レンズの役目をする水晶体で屈折し、網膜(眼球の奥にある膜)の中心にある黄斑と言う部分で像を結びます。
そこに映し出された映像が、網膜と脳の間を結ぶ視神経を刺激して、脳の視覚中枢に伝わるしくみになっています。こうして眼球内に入ってくる光のうち、有害な紫外線や可視光線は活性酸素の生成を促すのです。
水晶体が白く濁る白内障の場合、水晶体の成分であるたんぱく質が活性酸素によって酸化することから発症し、物がかすんで見えたり、光に敏感になってまぶしく感じたりします。
緑内障の場合、眼球内を循環している房水と言う水分が、活性酸素の影響を受けて代謝異常(体内で行なわれる化学反応の異常)を起こすことが原因と見られています。眼球内にに水分がたまりすぎることで眼圧(眼球内の圧力)が異常に上がり、視野が欠けたり、視力が低下したりします。
さらに黄斑変性症の場合は、網膜に含まれている脂質の酸化がきっかけとなって、組織内に新しい血管が異常発生し、黄斑部に浸出して亀裂を引き起こすことが原因とされています。その結果、焦点を合わせる機能が障害を受け、視野の中心部がゆがんだり、著しい視力低下や色覚異常が起こったりします。
ルテイン不足で起こる目の病気 |
● 白内障
● 緑内障
● 近視
● 仮性近視
● 老眼
● 疲れ目
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● ドライアイ
● 黄斑変性症
● 飛蚊症
● 網膜剥離
● 糖尿病網膜症
● 網膜中心靜脈
分枝閉塞症 |
抗酸化力の強いルテインが不足している
しかし、私たちの目には本来、活性酸素の毒を打ち消す作用(抗酸化作用)を持つ成分が備わっています。その成分とは、ルテインとゼアキサンチンです。この二つは植物の色素を構成するカロチノイドの一種で、いずれも強力な抗酸化作用を持っていることが、数多くの研究を通じて明らかになっています。
ルテインとゼアキサンチンは、ホウレンソウやケールなどの緑黄色野菜に多く含まれており、私たちは日ごろの食事からこれらに成分を補って、体内に貯蔵しています。
そのうち、ルテインは目の網膜全体と水晶体に、一方のゼアキサンチンは網膜の黄斑部と水晶体に含まれています(なお、ゼアキサンチンは一部体内で作られるため、以下は両者を区別せずにルテインと述べます)。
つまり、日ごろの食生活に緑黄色野菜を多くとり入れていれば目の病気は防げると考えられています。年を重ねるごとに老眼をはじめとした目の衰えが現れはじめ、白内障などの病気が増えてくるのは、ルテインを吸収したり代謝したりする能力が衰えてくるためだったのです。
さらに、最近は食生活の欧米化などでルテインの不足している人が多く、このことが目の病気を引き起こす主原因なのです。
実際に積極的に補うことで目の病気を予防できたり、治療できたりすることが、さまざまな研究によって裏付けられています。
例えば1992年、ハーバード大学のハンキンソン教授は、ホウレンソウを食べることで白内障の発生率が大幅に低くなったことを、臨床試験を通じて確認しています。
また、1994年にハーバード大学のセッドン博士が発表した研究によると、ルテインを日常的にとったグループは、ほとんどとらなかったグループに比べて黄斑変性症の罹患率が43%も低かった、とされています。
以上のように、重要な目の若返り成分であるルテインを積極的にとることが、目の病気の予防にも治療にもつながるのです。みなさんも、ぜひとるようにしてください。
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