ギムネマエキス・クチナシエキス

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ギムネマエキス末・クチナシエキス末
− 月見草種子油混合カプセルの薬理学的検討 −

はじめに
gur_marとmadhumeha
ギムネマ酸の血糖値上昇抑制作用
ギムネマ酸の作用を考える
ギムネマ・シルベスタの今日的意義
クチナシエキス・ギムネマエキス・乳酸菌生産物質でカロリーセーブ
月見草種子油混合カプセルの薬理学的検討
糖尿病に対する試験成績

 

ギムネマ・シルベスタ

 「この植物のは砂糖の甘みを消してしまう作用のあることからgur-mar(砂糖をこわすもの)の別名が与えられ、それが糖尿病に効果があるのは、体に余っている糖を中和するからだと信じられてきた・・・。」

 1954年版Indian Materia Medicaに記載されている「この植物」とは、インド原産として、インドネシア、中国南西部など熱帯から亜熱帯地方にかけて広く分布するつる性の植物、ギムネマ・シルベスタ(Cymnema sylve-stre,R.Br.)のことである。
植物分類学上からいえば、日本にも生育しているガガイモ、イケマ、トウワタなどと同じガガイモ科(Asclepidaceae)に属する(図1)。

ギムネマ・シルベスタ
図1 ギムネマ・シルベスタ

 この植物の葉は、インドにおいて糖尿病の民間薬として、2000年以上にわたって珍重されてきているが、その歴史は、その葉が砂糖の甘みを消すという特異な性質をもつことの発見にはじまっているらしい。
本論に入る前に、まずこのことから紹介していこう。

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gur-marとmadhumeha

ギムネマが砂糖を壊す

 山野を歩けば、どこにでもありそうな一見何の変哲もない卵形をしたギムネマの葉、ところがこの葉を噛んだ後、砂糖をなめた瞬間、その人は不思議な感覚を体験することになる。甘いはずの砂糖が砂粒に変わる!そのあまりに劇的な効果に、被験者の驚きはもちろん、験者自身も自分が一瞬有能な魔術師にでもなったような気分になる。この植物をヒンディー語でgur-marとよぶ理由を実感できるのである。

 こうして、古代インドの人々は、ギムネマが砂糖を壊すと考えた。一方、当時から尿中に糖が排泄される重篤な病気 ―糖尿病― に苦しむ多くの人々が存在した。サンスクリット語で糖尿病をmadhumehaという。"蜜の尿"を意味する言葉である。尿に糖があらわれるのは、体内に余分の糖ができているからだと考えて、"糖を壊す"ギムネマを、糖尿病の薬として使いはじめたとしても不思議はない。

 ある植物が民間薬として根付いていくきっかけと過程はさまざまであろうが、ギムネマ・シルベスタのように一つのはっきりとした生理作用との因果関係を背景にして伝承されてきたものは数少ないのではないだろうか。

 19世紀後半からギムネマ・シルベスタ成分の化学的な分析が進むともともに、それまでのいささか素朴すぎる因果関係は否定された。しかし、20世紀に入ると、ギムネマ・シルベスタの糖尿病薬としての作用に改めて科学的な目が向けられるようになった。

 1920年代、インドに赴いた2人のヨーロッパ人医師は、ギムネマ葉の乾燥粉末を糖尿病患者に服用させると高血糖が劇的に改善する例のあることを観察して記載した。さらに最近ギムネマ薬の粗抽出物が、実験的糖尿病動物の全身状態をいちじるしく改善する作用をもつことが確かめられるなど、ギムネマ・シルベスタ2000年の歴史に新しい光があてられはじめているのである。

 一方、甘みを消すというその不思議な作用は19世紀の終わり、インドに駐在していたイギリス人将校の注目するところになり、本国でその報告が公にされると、たちまち、化学者、生理学者の注目を集めた。まもなく、ギムネマ葉から甘みを抑制する科学物質として、ギムネマ酸が抽出され、現在もなお、その作用機構をめぐって研究がつづけられている。

 こうして、ギムネマ酸は、味覚に関心を寄せる研究者ならだれでも知っている物質となったが、そのあまりに顕著な効果の故にか、ギムネマ酸の抽出母体であるギムネマ・シルベスタなる植物が糖尿病薬として現在も脈々と息づいていることは、不幸にして忘れ去られてしまった。生理学者のあいだでは、ギムネマ酸だけが一人歩きしてきたのである。

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ギムネマ酸の血糖値上昇抑制作用

 「先に触れたように、インドではギムネマ・シルベスタについて改めて近代化学の目が向けられつつある。こういう時期にこそ、今まで味覚の分野で一人歩きをしてきたギムネマ酸を、ギムネマ・シルベスタの一成分としての側面から眺めなおすことも意義あることとおもわれる。最近、われわれのところで見出したギムネマ酸のもう一つの作用を紹介してから、ギムネマ酸そしてギムネマ・シルベスタの今日的意義について考察したい。

ギムネマグラフ1
【図2】 経口的ショ糖負荷後の血糖値上昇に及ぼすギムネマ酸混合投与の影響。
縦軸は、ショ糖負荷後における空腹時よりの血糖値上昇分(mean±SE)空腹時血糖値は113.2±7.7mg/100ml(n-4)
GA:ギムネマ酸

 図2は、ラットにショ糖負荷試験を行った結果を示したものである。図から明らかなように、ショ糖負荷時にギムネマ酸をショ糖の1/10量共存させると、負荷後の血糖値の上昇は有意に抑制され、ストレプトゾシン糖尿病ラットにおいてもその効果は顕著であった。 この結果に対する解釈の一つとして、ギムネマ酸がインスリン分泌を刺激する作用をもっているのではないかという可能性があげられる。しかしながら、この図には示していないが、ギムネマ酸のみの投与では、生理食塩水負荷の場合と変わらず、まして、空腹時よりも血糖値を下げるといった傾向は全く観察されなかった。また、現在行っているインスリンの測定でも、ギムネマ酸を添加した場合、血糖値の上昇が抑制されるのに対応してインスリン分泌も抑えられることが裏付けられつつある。
ギムネマ酸が糖負荷後の血糖上昇を抑える理由は、小腸内に糖の溶液を循環させて、小腸による糖吸収を直後測定する実験によって明らかとなった。

ギムネマグラフ2
図3 各種濃度のギムネマ酸が小腸のブドウ糖吸収に及ぼす効果
縦軸は灌流液中のブドウ糖濃度。
Glc:グルコース GA:ギムネマ酸

 図3には、麻酔下のラットの小腸上部、長さ約25cmの部位にブトウ糖溶液を灌流した結果が示されている。灌流をはじめる前のブドウ糖温度を、空腹時血糖値とほぼ同じ5mM(90mg/100ml)として一時間灌流をつづけると、小腸によってブドウ糖が吸収される結果、灌流液中のブドウ糖濃度1/3強にまで減少する。

 ところが、ギムネマ酸添加のもとで同様の灌流を行うと、0.1mg/mlという低濃度のギムネマ酸添加で、ブドウ糖吸収の抑制効果があらわれる。この効果の特徴は、ギムネマ酸を洗い流したあとでもなおしばらくブドウ糖吸収の抑制が持続することで、1mg/mlの濃度では2時間後においてもなおその効果が顕著である。

 一般に小腸におけるブドウ糖の輸送には、濃度勾配に沿って拡散する受動輸送と、小腸上皮細胞膜上の担体による能動輸送の二つのメカニズムが存在するが、ブドウ糖5mMという濃度では、大部分が能動輸送によって吸収されるものと考えられる。ギムネマ酸がこの濃度において顕著な抑制効果を示したことは、ギムネマ酸が主として、能動輸送を抑制することを示唆している。事実、能動輸送にともなって腸管内外に発生する糖誘発電位の測定においても、ギムネマ酸は強い抑制効果を示した。

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ギムネマ酸の作用を考える

 われわれの実験は、味覚の分野でのみ注目されてきたギムネマ酸のもう一つの作用を明らかにすることになった。味覚と腸管吸収、この一見かけ離れた二つの生体の働きに対して、ギムネマ酸は何か共通の作用を及ぼしているのであろうか。

 まず味覚に対する作用から考えていくことにするが、じつは、ギムネマ酸が一体どういう機構で甘味を抑えるのか、ほとんどわかっていないというのが現状である。

 ただヒントが一つある。味覚に対するギムネマ酸の作用の面白いところは、味覚の四基本味といわれる塩味、甘味、酸味、苦味のなかで、甘味の感覚だけを選択的に消失させる点にある。

 一方、甘味の受容には、他の味質の受容にはないきわ立った特徴があることが明らかにされている。それは、味細胞の表面には、甘味物質を識別するための特別なしくみが用意されていることである。酵素が基質を、ホルモンの受容体がホルモンを厳密に識別するように、味細胞膜上のタンパク質 ―甘味受容体― が甘味物質を識別しているというのである。とすれば、ギムネマ酸は、この受容体に何らかの作用を及ぼしている事が想像される。

ギムネマ分子構造
図4 ギムネマ酸の推定分子構造図
Rはエステル結合した短鎖脂肪酸を示す。
グルクロン酸の結合位置はまだ確定していない。

 図4にギムネマ酸の推定構造を示した。繊細なところはいまなお不明な点があるが、それがトリテルベンの骨格をもつグルクロン酸の配糖体であることははっきりしている。この構造からすれば、ギムネマ酸分子が、甘味受容体に結合して甘味物質たとえば糖と受容体との相互作用を阻害すると考えて無理はない。少なくとも現在の段階で、この考え方を積極的に否定する事実は知られていない。

 このように考えてくれば、ギムネマ酸は味覚ばかりでなく、生体がもっている他の糖識別のしくみにも同じような効果をもつかも知れない。先ほど述べたように、小腸上皮細胞には、ブドウ糖やガラクトースを選択的に識別して、細胞内に運び込むタンパク質―担体―が用意されている。ギムネマ酸が、この担体とブドウ糖との結合を阻害していると考えれば、図3に示した結果は無理なく理解できるのである。

 以上述べたことはもちろん推測に過ぎない。これを解き明かしていくためには、ギムネマ酸にまだまだ隠されているに違いないさまざまな生理作用を明らかにしていくことが重要であると考えている。

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ギムネマ・シルベスタの今日的意義

≪−終わりにかえて−≫

 ギムネマ酸というギムネマ・シルベスタのー成分が、小腸におけるブドウ糖の吸収を抑制する効果のあることははっきりした。先ほどのラットを用いた実験の結果から推し測れば、ヒトにおいても、ギムネマ酸は食後の急激な血糖値の上昇を抑制する可能性は十分にある。このことは臨床的にも重要な意義をもつものと考えられる。

 インスリン分泌の不全によって高血糖をきたしている糖尿病患者の場合、食後の急激な血糖値の上昇は、膵臓を刺激してさらにインスリン分泌を強いることになる。ギムネマ酸のように、腸管からの糖の吸収を抑えることによって、血糖値の上昇を抑えることは、疲弊した膵臓のインシュリン分泌細胞の保護と、食後の血糖値管理上、きわめて有用であると考えられるのである。

 こうしてギムネマ酸は、その糖吸収抑制効果を通して、われわれに糖尿病を意識させるようになった。1930年、前述の2人のヨーロッパ人医師は、

「ギムネマ・シルベスタの乾燥葉を毎日2〜4g、3ヶ月以上服用すれば、食事療法で効果のない糖尿病をも改善させるようである」

と述べた。これをギムネマ酸の効果であるというのは、いささか早とちりとの批判をまぬかれ得ないであろう。しかしながらギムネマ酸が、ギムネマ・シルベスタ乾燥葉の約1%と、植物の二次代謝産物としては決して少なくない量を占めていることからすると、全く無関係とも考えられないのである。

 一方、マドラス大学においてギムネマ・シルベスタ抽出物の薬理効果を研究」しつづけているShanmugasundaramらは、ギムネマ・シルベスタの成分が、不全をきたしたインスリン分泌細胞に直接働きかけてそれを修復させるとの意見をもっている。これにも大変興味をそそられる。ともかくギムネマ酸が、インドと日本におけるギムネマ・シルベスタ研究の橋渡しの役割をしてくれることは間違いないだろうと確信している。

 味覚以外に、ギムネマ酸の生理、薬理作用について触れた仕事は、ある種のインフルエンザウイルスに対する坑ウイルス作用"Na+,-K+ATPaseに対する阻害効果"などが散見されるだけで、驚くほど少ない。これも味覚におよぼす効果があまりにも劇的であったせいであろうか。いずれにしても、ギムネマ・シルベスタもさることながら、その一部たるギムネマ酸もまだまだ秘密に満ちている。それだけに楽しみな対象でもある。

ギムネマエキス末・クチナシエキス末
【月見草種子油混合カプセルの薬理学的検討 】について

インド生薬の臨床薬理学的研究
【ギムネマ・シルヴェスタの糖尿病に対する試験成績】について

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